スノーボードの大革命、それはバインディングとエッジがついたこと

歴史的な部分から見ると、「スノーサーフィン」「パウダー」の次のキーワードは「バインディング」と「エッジ」。ここまでいくとちょっとマニアックな知識にはなるのだけれど、知っていると「スノーボードの歴史のことを、よく知っているイケてるヤツだなぁ」という決めてになるキーワードである。

スノーサーフィンという、それまでのいわゆるパウダーを滑るための用具から、その可能性を、さらに広げるためにスノーボードに装着されたパーツが、「バインディング」と「エッジ」である。スノーボードは前述したようにスキーの発想よりも、サーフィンの発想で生まれたものだから、そもそもその始まりはただの板1枚。バインディングとエッジを装着したのは1980年代になってから。どっちが先かというと「バインディング」の方が先で、80年代前半に登場。それでも最初のカタチは、足を入れるベルトみたいなもので、ターンを行うためのカタチを模索していくうちに、今のようなバインディングにあるカタチ、ブーツの後部を支えるハイバックを装着したり、軽量化されたり、自由な動きを活かしながら、しっかりしたホールド感をもたらすようなカタチへと進化したのである。

その後エッジが装着。それ以前にはサーフボードのようなフィンがスノーボードにも装着されていた時代もあった。エッジが付いたのは80年代半ばのことである。エッジがない時代のスノーボードは、やはりパウダー以外の、例えばゲレンデの固いバーンなんかでは、まったく乗りづらいものだった。

このバインディングとエッジが付いたことでスノーボードはさらに進化し、ビッグエアーも、ゲレンデでの圧雪バーンでもシャープなカービングターンが可能になった。スキーでは当たり前のことなのになぁ…なんて思うかもしれないけど、とにかくスノーボードは、スキーよは全く違う新しい遊びとして発想・進化してきたのである。

今やスノーボードはオリンピック種目でもあるし、スキーと同じみたいに言われてきた面もあるけれど、こういう歴史を知っていれば「スキーとは違う」ということがおわかりいただけるだろう。だからこそ、スノーボードのスタイルやファッションは、スキーとは違う独自の個性を持っているのである。

キミの周りで、もし、ここまでスノーボードのことについて知っている人がいれば、その人は、相当イケてるスノーボーダー、もしくはほとんどギョーカイ人と思って間違いない。いや、そしてもしかしたら、読者のキミと同じく、この原稿を熟読したラッキーなヤツかもしれないね。