そのウエアどこで買ったのさ!

とある大型スポーツ安売り店のスノーボードウエア売り場に行けば、いかにもスノーボーダー仕様みたいなウエアが沢山ぶら下がっている。神田のスポーツ店街なんかに行けば、お店の入り口に超お買い得なんていう手書きの看板を掲げ、スノーボード用らしいウエアも売っている。しかしながら、そうやって売られているモノのほとんどが、本物スノーボーダーに言わせれば「これ、ふざけんなよー、でしょ」みたいな、無名ブランドだったり、たとえブランド品でも超昔のモデルの流行にとっくに乗り遅れたヘッポコ品なのである。だいたい大手スポーツショップでも、ちゃんとした有名スノーボードブランドのウエアは、ブランド名をしっかり掲げて売っている。

「じゃあ、そんな無名ブランド物ウエアじゃあ、滑っちゃいけなの?」

そんなことはないけれど、スノーボードウエアは第一にファッション性重視。そのファッションにつきものなのは「ブランド」なのである。なかでも特に気をつけたいのが、有名ブランドのスタイルを真似たパクリ・ブランドなのである。これははっきり言ってヤバい。「オマエそのウエアどこで買ったのさ…」おそらくキミがゲレンデに出かけたとき、周りからはそんな視線を浴びせかけられるに違いない。蛍光色を使いまくりの派手派手なファッションとかあまりにもダボダボで短足に見えてしまうのも時代遅れ。最近はシルエット重視で、そんなにダラーッとダボダボのスタイルでは滑らないんだから。というわけで、流行のファッションはプロショップの店員さんに聞いてみたり、スノーボードの専門雑誌を見たりしてチェックすべし。ちょっと事前にチェックするだけでも「あ~こういう感じね」って違いが少しわかるはず。まあ、このへん好みもあるからってこともあるけど、少なくともゲレンデでモテたい人はウエア選びって大切だよ。たとえば、レストハウスなんかじゃキミの滑りのテクニックはバレないわけだから、勝負はウエアの着こなし具合にかかってくるわけね。

それに、スノーボードウエアには機能性も必要である。機能性とは何か?

まずは保温性である。暖かくなければ雪山でもツラいだけ。縫い目もしっかり防水されていなければ、最初はきっと転んでばかりの初心者スノーボーダーならなおのこと、ウエアの下がビショ濡れになってしまうことは確実。さらに通気性の問題。いくら寒い雪の上とはいえ、スノーボードは激しいスポーツ。だからウエアで密閉されたなかに熱がこもりやすいのだ。その熱を逃がしてあげられる通気性がなければ、ウエアの下は汗だくで、レストハウスでウエアを脱いだときに、ムーッと臭い体臭が周囲の人たちに不快感を与えてしまい、嫌がれてしまうなんてことにもなりかねない。ゲレンデで出会ったかわいい女の子と「さあ、これから楽しい食事と会話だぁ」ってときに、ウエアを脱いだ途端、女の子が冷たくなったんていうのは、80%はキミのオイニー(臭い)のせいだと思ってもらって間違いない。

特にスノーボードパンツには気を使うべきなのだ。パンツは防水性が悪ければ、中味のパンツまでびしょ濡れで、帰りのドライブにも支障をきたす。代えのパンツさえも必要になってしまう。スノーボードの後、パンツ履きかえる必要があるんなんてサイテーでしょ。それにスノーボードパンツのなかがムレたって、それを脱がない限りどうすることもできないなんて我慢できないよ。

きっと、ここで僕が言っているようなダサいウエアでも、上下それぞれ10,000円近くするものもあるはず。そんなものを買ってしまって、ゲレンデに行ってもやっぱり周囲のキツイ視線からは免れない。結局、上下で20,000円にもなれば、それでも大金にほかならないよね。慌ててシーズン中にもう一度ウエア上下を買い換えるなんてことにもハマりそう。だからこそ、慎重に選んでもう少しいいモノを買っておけばいいんだよ。

つまり、有名スノーボードブランドっていうのは、やはりそのブランドイメージを維持するために、開発にお金をかけたりして、機能もしっかりしたものを市場に流しているわけ。将来的にもスノーボードブランドとしての人気を獲得し続けるためには、それを買ってくれたユーザーに満足を供給しないといけない。逆に、テキトーな安売りブランドは「とにかく、コレが売れればいい」という安易な考えで、モノを作り、値段だけで勝負する。ブランド名の定着なんてことは、きっとさらさら考えてはいないのだろう。だから、そのブランドが来シーズンもまだあるかどうかなんかはわかんない。売れなければ、また来年新しいテキトーなブランド名をつけて売りまくればいいだけなのだから。まあ、インターネット上にはそういうものがわんさか流通しているんで、このメッセージを読んだキミは少なくともそこのところをわきまえて、お利口なウエア選びをして欲しいものだ。